「感情的になってしまい叱ってしまう…」
「子どもに何度言っても言うことを聞かない!」
「他の子やきょうだいと比べてしまう」
なるべく子どもたちのことは叱りたくないと頭では思っているけど、感情をコントロールできなくなってしまい、子どもを叱ってしまう。
叱った後は、後悔することもあり、子どもの叱り方について悩んでいるママやパパも多いのではないでしょうか?
子育てをしていると、子どもを叱る場面がたくさんでてきます。子どもを「正しく叱る」ことができているのかと、不安になることもあるかもしれません。
叱り方を覚えると、子どもは素直にあなたの話を聞いてくれるようになります。ぜひ、叱り方を学んでいきましょう。
そこでこの記事では、子育て中の子どもの叱り方について
- 「怒る」と「叱る」はどう違うのか?
- 子育てにおいて、叱る必要があるのはいつ?
- 子育て中にやってはいけない叱り方
- 子育て中の叱り方のコツとは?
- 叱ったあとのフォローは忘れずに
について、今日からできるコツを紹介します。
子どもを叱るときに、やってはいけない叱り方や正しく叱るポイントなどについても解説していきますので、叱り方に悩む子育て中のママやパパはぜひ参考にしてみてください!
「怒る」と「叱る」はどう違う?
子育て中、言うことを聞かない子どもに感情的に怒ってしまった経験は、誰しも一度はあると思います。
そもそも「怒る」と「叱る」には、どのような違いがあるのでしょう。
まず「怒る」なんですが、怒るは、自分の感情をそのままぶつけてしまうことです。「叱る」は、相手の至らない点を改善に導くために、注意やアドバイスすることを指します。
したがって、子どもの成長のために「叱る」ことは相手本位な行動といえるでしょう。
しかし、子どもに言ったことが伝わらなかったり、自分の思い通りにならないからといって「怒る」ことは自分本位な行動になってしまっています。
ただ自分の感情をぶつけるだけでは、子どもはなにが悪かったのか原因がわかりませんし、強い口調で怒鳴られたことで恐怖心が生まれてしまうかもしれません。
悪かったところをきちんと説明し、改善に導く術を教えてあげるのが「叱る」ということなのです。
子育てにおいて、叱る必要があるのはいつ?
子育て中に子どもを叱る場面はたくさんありますが、毎日細かく注意していては、叱る方もストレスが溜まり疲れてしまいますよね。
子どもを叱るタイミングは、いつなのでしょうか。
- 命に関わる危険な行為をしたとき
- 自分や他人を傷つけたとき
- 法律違反や公共の場で迷惑な行為をしたとき
それぞれ子どもを叱るタイミングを詳しく見ていきましょう。
命に関わる危険な行為をしたとき
子どもは、大人でも想像できないような予期せぬ行動を取ることがあります。
例えば、信号を確認せず道路に飛び出したり、公園の遊具で危険な遊び方をするなどの行為は、事故に巻き込まれたり大怪我に繋がる可能性があるため、とても危険だということを強く教えなければならないときはあります。
子どもはだんだん一人で行動できる範囲も広がっていき、お友達と遊びに行く機会も増えていきます。
危機管理能力を身につけるという意味でも「危ないことをしてはいけない」と、子育て中にしっかり伝える必要があります。
子どもが自分で命を守れるようになるためにも、幼いからしっかり教育していきましょうね!
自分や他人を傷つけたとき
子どもの様子がなんだかおかしいと感じ、訳を聞いてみると…?
どうしたの?なにかあった?
お友達と喧嘩したの。言い合いになって叩いちゃったんだ…
どうしてそんなことしたの?!
このように、まずは子どもを叱ることが多いのではないでしょうか。お友達や周りの人間を傷つける行為は許されません。
暴力はもちろんですが、悪口や無視をするといった、言葉や態度で人を傷つける行為をしてしまった場合も強く叱る必要があるでしょう。
直接的な発言や行動のほか、LINEやSNS上での発言の仕方なども近年問題視されることが増えています。
どんな形であれ、相手が傷つき悲しい思いをしているということを教えなければなりません。
また、自分を傷つけてしまった場合も同様です。命の尊さを教え「あなたは大切な存在である」ということを、愛情を持って伝えてあげましょう。
法律違反や公共の場で迷惑な行為をしたとき
子育て中に子どもを叱る場面でよくあるのが、公共の場で迷惑な行為をしたときです。
静かにしなければいけない場所にもかかわらず大きな声で騒いだり、人がたくさんいる場所で走り回ったりと、子どもはじっとしていられないことが多いですよね。
さらに、公共の物を壊してしまったときなどの法律に違反する行為に対しても、社会のルールをしっかりと教える必要があります。
万が一、他人と接触してケガをさせたり、物を壊して損害賠償を請求されるまでに発展してしまっては、ただ事では済まされません…
良いことと悪いことの区別を教えてあげるのは、一番近くにいる親の役目なのです。
しかし、あれもダメこれもダメと言っていては、子どもも反抗心を持ってしまい言うことを聞かなくなるかもしれません。
あらかじめ「叱ることと叱らないこと」を決めておいても良いかもしれませんね。
子育て中にやってはいけない叱り方
続いては、子育て中にやってはいけない叱り方のポイントを5つ解説します。
- 否定的な言葉で叱る
- 他人と比較する
- だらだらと叱らない
- 感情のままに叱る
- 暴力を振るう
普段おこなっている子どもの叱り方に当てはまる部分はないか、比べてみてください。
否定的な言葉で叱る
子どもを叱るときに「そんなこともできないのか」「本当にダメな子ね」といった言葉を投げかけてはいませんか?
子どもが失敗したときに人格や能力を否定する言葉は「自分はダメな人間なんだ」と、自信ややる気を奪ってしまうことに繋がりかねません。
このような叱り方は、絶対にやめてください。
子どもはまだまだ成長の途中です。できないことがあって当然ですし、否定的な言葉は自分の感情をぶつけているだけに過ぎません。
子育て中はストレスが溜まりやすいため、ついイライラしてしまうこともあると思いますが、あまり完璧を求めすぎないようにしましょう。
他人と比較する
子育て中、子どもの友達やきょうだいなどとつい比較してしまったことはありませんか?
しかし「◯◯ちゃんはちゃんとできているのに」といった叱り方はNGです。
競争心を育むという点では、比較することが必要な場合もあるかもしれませんが、大人でも人と比べられると落ち込むことがありますよね。
子どもの心を傷つけるような言葉は、なるべく使わないように心がけましょう。
だらだらと叱らない
子どもに何が悪かったのかを理解してほしいあまり、ついくどくどお説教してしまうことも、良い叱り方とはいえません。
子どもは集中力があまり続かないため、長時間叱られていると「なんで怒られているんだっけ?」と、理由がわからなくなってしまいます。
子育て中は、なるべく短時間で短い言葉で伝えるのが子どもにとってもわかりやすく、お互いストレスの少ない叱り方なのです。
叱ったあとは「もうこの話はおしまいね」などといって、気持ちを切り替えましょう!
感情のままに叱る
子育て中のストレスが募って心に余裕がなくなり、つい感情的に叱ってしまったという経験は、誰しも一度はあるのではないでしょうか。
しかし、怒りの感情をそのままぶつけても問題の解決には至りません。
それどころか、子どもに恐怖心を抱かせてしまうだけなのです。
叱られた理由をきちんと説明するためにも、怒りの感情はグッと堪えて、ワンクッション置いてみましょう。
暴力を振るう
子どもを怒りに任せて叩いてしまうといった叱り方は、しつけではありません。
思い通りにならないから叩く、言うことをきかせるために叩くといった行為は虐待と同じです。
また、暴力で恐怖心を植え付けると、怒られないように人の顔色を伺うようになるかもしれませんし、叩かれて育った子どもは周りの人間に暴力を振るってしまう危険性も高まります。
どんな理由があれ、暴力は許されることではありませんし、子どもの心が不安定になってしまうことは避けるべきです。
子育て中の叱り方のコツとは?
子育て中のやってはいけない叱り方について解説いたしましたが、実際に叱る際は、なにを意識すればよいのでしょうか。
叱り方のコツとして、以下の5つのポイントがあります。
- 叱る前に、まずは子どもに理由を聞いてみる
- 叱られている理由を説明する
- 内容は一つに絞る
- 過去のことを持ち出さない
- 叱りすぎてしまったときは謝る
普段の生活の中でできるているのか?振り返ってみましょう!
叱る前に、まずは子どもに理由を聞いてみる
頭ごなしに叱る前に、子どもに「なぜこんなことをしたのか?」と、問いかけてみてください。
大人もいきなり頭ごなしに叱られてしまうのは、嫌ですよね…
それは、子どもたちも同じなんです。そういう行動をしたのには、子どもなりの理由があるはずなんです。
だから、まずはこちら側が聞く姿勢になり、子どもに理由を聞いてみる。
理由を聞いて、理由を話してくれたら「そうだったんだね」と一度肯定し、子どもの気持ちを受け入れてあげてください。
「あなたの気持ちを理解しているよ」ということが子どもにちゃんと伝われば、子どもも気持ちを吐き出しやすくなっていきます。
子どもの意見を全部聞いた後に「〇〇の気持ちはよくわかったよ!でも、〇〇すると△△になるからやめようね」と伝えるのが、自尊心を傷つけない効果的な叱り方にもなります。
子どもが何かするときは、必ず理由がありますので、その理由を聞いて子どもにしっかり共感してあげてください。
そうすると子どもも本音で話してくれるようになりますよ。
叱られている理由を説明する
子どもたちにいきなり「それはやっちゃダメ」「やめなさい」と、ただ注意だけをする叱り方では、なぜ叱られているのか子どもに伝わっていません。
その結果「訳もわからず怒られた」と、反抗してしまい言うことを聞かなくなってしまうこともあります..
子どもたちに何度も注意しているのにもかかわらず、同じことを繰り返してしまう子どもは、なにが悪かったのかを理解できていない可能性があります。
だから、子どもを叱るときは、いきなり叱るのではなく、きちんと理由を説明して納得させる。
そうすることで、子どもの頭にもすっと入りやすくなってきます。
子どもたちを叱るときは、必ず叱られている理由を子どもに伝えてあげるようにしましょう。
叱る内容は一つに絞る
子育て中はついあれもこれもと口にしてしまいがちですが、できるだけ一つの内容に絞って叱るようにしましょう。
一度にたくさんのことを言われると、本来叱られていたことがなんだったのかと混乱してしまいます。
大人もあれもこれも言われてしまうとわからなくなってしまいますよね。話を聞くのがだんだん鬱陶しなくなっていくと思います。
だから、子どもを叱るときは、一つの内容に絞って叱る。
あれもこれも叱っているうちに、子どもの集中力がなくなってしまい、何一つ頭に残っていなかったりするということもあります。
そうなってしまうと、なんのために子どもたちを叱ったのかわからなくなってしまいますので、子どもを叱るときは、短い時間で一つの話をすることを心がけてみてください。
叱るときは、過去の話を持ち出さない
子どもを叱るときについつい言いがちな「この前も〇〇していたよね?」「あのときも□□だったよね?」と、過去のことを蒸し返すのも良い叱り方とはいえません。
子どもにとってみれば、話が逸れて叱られる時間が長引くと「まだ終わらないの?」「また同じこと言ってる。早く終わらないかな。」と疲れてしまい、集中して聞いてくれなくなります。
これは仕事とかでもそうですよね。例えば、上司に過去の話をされると、「また言っているよ」ってなると思うんです。それは、子どもたちも同じなんですよ。
先ほども説明しましたが「内容は一つに絞る」を意識し、なにが悪かったのかを子どもに問いかけてみてください。
子どもが悪かったところをきちんと答えられた場合は、叱るのはそこで終わりにしましょう。
言いたいことはたくさんあるかもしれませんが、子どもも反省していますので、それ以上は我慢して、次の話に持っていってあげてください。
子どもを叱りすぎてしまったときは謝る
子どもを叱りすぎてしまったときは、素直に謝ることです。
子育て中は子どもを叱る場面も多く、思いがけずヒートアップしてしまうこともあるでしょうし、時間が経てば「少し言いすぎたかな?」と後悔することもありますよね…
そんなときは「さっきは言いすぎてごめんね」と謝ることで、叱られて萎縮してしまった子どもの心も、ほっと一安心するはずです。
相手から謝ってもらえると、なんだか気持ちが和らぎますよね。その様子を見て、素直に謝ることの大切さを学んでくれるかもしれません。
謝ることで仲直りもしやすくなりますからね!
実は違う!男の子と女の子の叱り方
男の子と女の子では性格の違いから、効果的な叱り方があるのをご存じでしょうか?
叱り方のコツを意識してもうまく伝わらないと感じた場合は、こちらも参考にしてみてください。
男の子の叱り方
男の子は同時に複数のことをするのが苦手なことが多いため、叱る理由を説明するときは「短く簡潔に」を意識し、一つずつ説明してあげましょう。
回りくどい説明はわかりづらく時間がかかるため、はっきりと一言で伝えるような叱り方を意識してみてください。
さらに、プライドを傷つけないように叱ることも大切です。
男の子は、幼児期から他人にどう思われているかを気にし始めます。
人前で恥をかかされたと思うと、その人の言うことを聞かなくなってしまうため、人目につかない場所で叱るようにしましょう。
男性でもみんなの前で叱られてしまうのは嫌ですよね。それは、男の子も同じなんですよ!
女の子の叱り方
女の子は、男の子に比べると言葉の理解が早く、物事を客観視できるため「悪いことをした」というのは自分できちんとわかっています。
そのため、きつい言葉で叱るよりも「何で叱られているかわかっているよね?」と、わかっている前提でやさしく叱るのが効果的です。
やさしい口調で叱ることで「言われなくてもわかっているよ!」といった反発心を抑えられます。
また、女の子は成長が早い分、親の言葉を真似してしまうことがあるため注意が必要です。
周りの人間に強い口調で接すると、人間関係などでトラブルを起こしてしまう可能性もありますので、叱る際の言葉遣いには気をつけながら叱るようにしましょう。
いずれにしても、共通していえるのは「感情的に怒らず、短い時間で終わらせる」です。
大人でも叱られることにはストレスを感じてしまうので、子どもであればなおさらストレスを感じてしまっています。
子育てをしながら子どもを一番近くで見ているのは親ですから、自分の子どもの性格に合った叱り方を意識してみてくださいね。
子どもを叱ったあとのフォローは忘れずに
子どもは叱られると、落ち込んだり自信をなくしたりしてしまい、自己肯定感を下げてしまう場合もあります。
そのため、一度叱ったことが改善されていたらたくさん褒めてあげてください!
褒めるのが苦手な方は、認めてあげてください。
褒められると、嬉しくなってくるので落ち込んでいた気持ちや失った自信を取り戻すきっかけにもなるでしょう。
また「◯◯はダメだけど、□□はよかったよ」というように、別のいいところを褒めてあげると自己肯定感が高まります。
子どもを叱ったときは、叱りっぱなしで終わるのではなく「あなたに成長してほしいから、愛情があって叱っているんだよ」と伝えたり、励ましの言葉やハグをするなど、必ずフォローする叱り方を意識してみてください。
叱ったあとにフォローするだけでも、子どもたちはわかってくれるようになっていきます。
まとめ:叱り方を変えるだけで子どもはいうことを聞いてくれるようになる
子どもの叱り方について、「男の子と女の子では叱り方が変わってきますよ」という部分も紹介しました。
子育て中に、子どもの叱り方で悩むことは誰にでもあります。
あなただけが子どもの叱り方について悩んでいるのではありません。
仕事に家事に育児に追われるなか、いっぱいいっぱいになってしまうと心の余裕がなくなってしまい、つい頭ごなしに叱ってしまったり、言うことを聞かない苛立ちから感情をそのままぶつけてしまうことも少なくありません。
それは、どの家庭も同じなんですが、叱り方を工夫するだけで子どもの自尊心や、自己肯定感を損なわないようにすることもできます。
子どもを叱ることは決して悪いことではありません。子どものことを1番に考えているからこそ、真剣に叱れるんだと思います。
子育てには正解がないので、難しいですが、親も子も日々学びです。子どもの成長はあっという間に終わってしまいます。
だからこそ今できることは子どもにしてあげてください。一緒に子育て頑張っていきましょう。